気まぐれは風と共に…

第三話:ふぁ〜すとばとる






前回、「おうっ!!」とかなんとか言ってみたものの、戦闘なんかは当然のことながらケンカも数えるほどしか経験していない。

よって戦い方などさっぱりわからん。

とりあえず敵さんでも観察しておこう。

敵は4匹。

妖精のような格好をしているが、目付きがかなり悪い。

背は5、60cmぐらいだろうか…。

よくみれば彼らは宙に浮いている。

目つきが悪い、背丈5、60cm…。

そういえば、どこかで何かの本に書いてあったのを見た事がある。

さっきはこいつらは妖精みたいと言ったが紛れもない妖精。

名はゴブリン。

顔は醜く悪さが好きで人間から嫌われている…とその本には書いてあった。

祐一「でも、なぜこの日本に妖精がいるんだ?」

日本での妖精の話なんて少なくとも俺は聞いたことが無かった。

天野「日本でも鬼というものがいるでしょう。それらは外国で言うなら妖精のようなものなんですよ」

そうなのか…。

祐一「でも、ゴブリンに殺されたという話は聞いたことがない。あいつら弱いんじゃないのか?」

天野「普通ゴブリンは人に致命傷を与える力などは持っていませんが、モンスター化したゴブリンなら話は別です。おそらく魔王によって力が増大されている事でしょう。 悪さが好き放題出来るということで魔王に協力しているのでしょうね」

佐祐理「まったく、困った妖精さんですね〜」

香里「そうね。やっぱそういう事しちゃうヤツには
   おしおきでしょっ!!」

香里はそういうと相手に飛びかかって行く。

香里「でりあぁーーっ!!」

ブオッ!

鋭いパンチを繰り出すが相手は素早い動きでそれをかわす。

あのパンチを避けるのだから相当な素早さだ。

ゴブリンはその攻撃を避けると同時に隠し持っていたナイフで香里の首筋を狙う。

祐一「危な…」

俺がそれを言おうとする前に香里はその攻撃を感知し、身を翻しよけ

香里「どりあぁぁーー!!」

ズゴッ!!

「メゲッ!!」

裏拳を横っ面にかました。

敵さんは…

「くしゅー…」

のびていた。

香里の手を見るとカイザーナックルを付けている。

さっき店で買った武器はそれか…。



香里「ふん、魔王の力を借りてもその程度? お話にならないわね」

「く、くそー。いくぞ野郎共っ!!」

「「キー」」

どうやら残りの3匹の中心にいるヤツ以外は人の言葉がしゃべれないみたいだ。

おそらく、人間にもしなにかの伝言をする時に喋れないヤツがいないと不便なので、その群れの一匹にだけそういう能力を付けたのだろう。

本来は戦闘には無用な能力だからな。

3匹は物凄いスピードでこちらに向かってきた。

祐一「さて、どうしたもんか…」

ダダッ

天野「はあっ!!」

美汐が普段のおばさんくささからは想像できないスピードで敵の方にダッシュしていく。

そして…

ダダッ、タン、シュサ

俺には敵とただすれ違っただけのようにしか見えなかった。



「ん? …ウギャーッ!!!」

敵の一匹が頭から真っ二つに割られていた。

敵さんは一瞬切られたことに気がつかなかったようだ。

それほど天野の太刀筋は見事だった。

天野「(…なかなか使いやすいですね、この剣。しばらくはこれでいきますか)」



天野が倒したのは言葉を話せる奴らのボス的存在。

残りの奴なら俺でもなんとかな…

佐祐理「あはは〜。残りはお任せ、まじかるサンダーッ!!!!」

って、佐祐理さん!?



ズゴーーーーーーン!!







…うわ、エグ。



戦闘終了

パーティーは経験値を得た。

香里はレベル2になった。

美汐はレベル2になった。

佐祐理はレベル2になった。

2300円を敵のポケットからゲットした。



祐一「アレ?」

天野「どうしたんですか?」

祐一「俺、レベル上がってない。…ああそうか。勇者はレベル上がりにくいから、それでか」

まあ、RPGの伝統だな。

香里「不正解」

祐一「あら。…じゃあなんで?」

天野「戦ってないから経験値もらえてないんですよ」

祐一「マジで!? 普通はパーティー全員に均等に経験値が行くはずじゃあ」

天野「そこまで甘くないですよ」

なんなんだ、その制度は?

しかし、俺も全く戦闘に貢献しなかったわけではないだろう。

思い返してみると…



俺は…



俺は………



俺は……………



なんもしていな。



そりゃ経験値もらえねえや。



祐一「アイヤー。この制度はきついアルね」

天野「……」

佐祐理「……」

香里「……」

天野「でも、これぐらいの雑魚モンスターが結界を抜けられるのはおかしいですね」

佐祐理「そうですね〜」

流されたっ!?

俺のオハコ、偽中国人風喋りがスルーだと!!

ありえん!!

しかも、万年ツッコミ役の香里にまで流されている。

これはもう芸人にとって死刑宣告をうけているようなもの。

くそ〜、こうなれば逆ギレだ!!

3人がやめて下さいと言うまでこの偽中国人風喋りでいってやるぞ!!



…こうして相沢祐一の復讐が始まった。



祐一「でも、なんで雑魚モンスターが居るのがおかしいアルか?」

天野「ナユロード姫が結果を張っていて、Aランク以下の敵は街に入れないはずなんですよ」

祐一「ナユロード…誰アル?」

香里「誰ってお姫様」

祐一「お城にはいなかったアルが…」

香里「ナユロード姫は別の場所で結界を張っているわ」

祐一「べつの場所アルか?」

香里「そう。姫はこの街の全てを見渡せる場所…ものみの丘のイティゴ塔にいるわ」

祐一「イティゴ塔…? ナユロード? …なにやら嫌な予感がするナリ」

佐祐理「とりあえず行きましょう〜」

天野「そうですね。結界の力が弱っているとしたら姫の身になにかあったのかもしれませんし…」

祐一「それは一大事ナリ」

香里「そうね、少し急ぎますか。…っとその前に相沢君」

祐一「なんナリか?」

香里「喋り方が偽中国人じゃなくてコ○助になってるわよ」

祐一「…………マジかっ!?」



…こうして相沢祐一の復讐は自己の天然のボケによって成し遂げられないままで終わった。



佐祐理「あはは〜。やっぱり脳のお医者さんに行ったほうがいいですよ〜」

天野「私も同意見です」

香里「以下同文」

祐一「…酷い、酷いわ!!」



名前
祐一
香里
天野
佐祐理
レベル
職業
勇者
モンク
戦士
白魔道師
武器
鋼の剣
カイザーナックル
ミスリルソード
魔道師の杖
鋼の鎧
チャイナドレス
ミスリルメイル
白のローブ

つづく。



[後書き(っぽい物)]


あゆ「吉○新喜劇オチだね」

g「よく知ってるな〜」

あゆ「伊達に全国を飛び回って食い逃げしてないよ」

g「いや、だからそれ犯罪」

あゆ「まあまあ、そういうキャラだし」

g「…開き直ってるよな〜、最近」

あゆ「まあね」

g「まいいか。で、次回なんですが」

あゆ「名雪さんの登場だね」

g「言うなっ!!」

ポカッ

あゆ「うぐぅ〜。だって、読者の9割7部5厘の人はナユロード姫が誰かなんてわかってるよ」

g「それでも隠しておく物なの!!」

あゆ「ま、いいんじゃない? それではまた〜」

g「勝手に終わるなっ!!」



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