それは、相沢祐一が18歳になる日でもなんでもない











まったくもって、普通だったはずの日の事だった











「…一さん。朝ですよ」

ん?

「祐一さん、起きてください」

目覚ましがいつもと違う。

いつもの録音型目覚ましからの寝ぼけた声は聞こえず。

推定28歳の優しい感じの人の声がする。

この声は…

祐一「ん〜…あ、秋子さんっ!!」

秋子「はい。おはようございます」

祐一「あ、おはようございます。秋子さんが起こしに来るなんて珍しいですね」

まさか、目覚ましに気付かずに寝過ごしてしまったのかな?

ということは、時間が…

あれ?

いつも通りの時間だ。

祐一「今日、何かありましたっけ?」

秋子「あらあら、お忘れですか?」

なにか用があたっけ?

日直でもないし…

祐一「ええ、ちょっと…」

秋子「今日は祐一さんが旅立つ日ですよ」

秋子さんがサラッと言い放つ。



祐一「……」



秋子「……」



祐一「何いぃ〜〜〜っ!!」









気まぐれは風と共に…

第一話:勇者仲間と会う










祐一「で、オレが勇者で、魔王を倒しに仲間を連れて旅に出る日なんですね」

秋子「はい」

順応性が高いオレは、なぜかその現在の状況をすんなり受け入れていた。

祐一「で、仲間は誰なんですか?」

冒険と言えば、パーティー編成は重要である。

出来れば、強くて萌え萌え(謎)な仲間がベストである。

秋子「本当は王様に会ってからなんですが…。まあいいでしょう。みなさん、出て来てもいいですよ」

ワクワク

香里「おはよう」

天野「おはようございます」

佐祐理「おはようございます〜」

祐一「……」

脇役シスターズじゃないか。

なんで、こんな微妙なメンバーなんだ?

と、言うと殴られそうだったので言うのをやめた。

ゴスッ

ゲリッ

ギャスッ

祐一「痛ぇ〜。なにすんだ?」

香里「口に出してたわよ」

祐一「マジで?」

香里「ええ。『と、言うと殴られそうだったので言うのをやめた』までしっかり言ってたわよ」

祐一「そりゃあ、ヤバいな」

天野「病気ですね」

佐祐理「あはは〜。いいお医者さん紹介しますよ〜」

…酷い、酷いわ。

祐一「…秋子さん」

秋子「はい?」

祐一「ここは勇者の家兼、ル○ーダの酒場でしょ? メンバーの交代はできないんですか?」

秋子「まったくもって、出来ません」

答えるまでの間は、約0.3秒。

やはり拒否権は無しか…

祐一「はぁ〜。スタッフサービスにでも電話しようかな〜」

いや、マジで。

香里「相沢君?」

祐一「なんでしょうか、香里さん?」

香里「あたし達では何か不満があるのかしら?」

祐一「…ないです。ないですからそのメリケンサックをどうぞお仕舞い下さい」

香里「よろしい」

祐一「で、それぞれの職業は?」

香里「あたしはモンクよ」

天野「私は戦士です」

佐祐理「佐祐理は白魔道師ですよ」

祐一「……はい、先生質問です」

秋子「なんでしょうか? 出席番号一番、相沢祐一君」

祐一「このお話はド○クエではなかったんですか?」

秋子「いい質問ね。まあ、手っ取り早く説明するとごちゃ混ぜです」

香里「というか、なんでもアリね」

天野「たぶん、作者の知ってるRPGの要素はほとんど出てくると思います」

秋子「オリジナリティーも、出すとかいってましたよ」

祐一「そんなこと、出来るんですかね?」

秋子「あの作者のことですからね…。まあ、出来ないと言おうもんなら、私がお仕置きしますから大丈夫ですよ」

祐一「…はあ、それなら安心ですね。んじゃあ、王様のところにでも行ってきます」

秋子「いってらっしゃい」

よし、それじゃあ行くか〜。



…って、あれ?

祐一「…お城ってどこ?」

香里「あたしが知ってるわ。ついて来て」

祐一「お、おう」







んでもって、歩くこと約30分。

お城に到着。



でも、ここって…

祐一「…なあ。ここって北川ん家じゃあないのか?」

香里「一応、お城という設定よ」

佐祐理「貧相ですね〜。佐祐里のお家の方が20倍は大きいですよ」

天野「さっさとお金と装備品でももらいに行きましょう」

祐一「そうだな」







ガチャ

なんの変哲もない木のドアを開ける。

一応プレートには『王の間』と書かれていた。

祐一「金くれ」

北川「王様に会った最初の言葉がそれか? …まあいい、これが旅に必要な資金と装備品だ」

祐一「どれどれ…。って、これから旅立とうとする、勇者達に与える資金が5000円というのはどういことだ?」

北川「いや、最初はこんなもんだろ」

祐一「しかも、装備品ってユニ○ロじゃねえか」

北川「安くて、機能的。戦うには持って来いじゃないか」

祐一「かおりん、さゆりん、みっしー」

三人「「「…御意」」」

北川「な、なにを。コラ、勝手に引き出し漁るなっ!!」

香里「うっさい」

ズゴッ

北川「ウガッ」

見事な切れ味の裏拳。

痛そうだな〜。

佐祐理「あははー。通帳発見です」

祐一「ナイス、佐祐理さん」

祐一「…え〜と、58000円。まずまずだな」

北川「待てっ!! それは香里との結婚資金…」

香里「逝ってよし」

ズゴッ

北川「ガフッ」

今度は顔を踏みつけられた。

ちょっとかわいそうになってきた。

香里「…相沢君。ハンコあったわよ」

祐一「お、おう。それじゃ行くか」

香里「うん」

ギュッ

香里が腕を組んできた。

祐一「おい。なんのつもりだ?」

香里「何って、腕組みたいから組んでるんだけど…。それとも、あたしと腕組むの嫌?」

でたな、必殺上目遣い。

他の人のSSでは通じても、このSSでは通じな…

香里「うるうる」

通じな…

香里「うるうる」



祐一「バカだなあ。嫌なわけないじゃないか」

通じた。

香里「ふふっ。ありがとう」

そう言うと、より深く腕を組んでくる。

うう、理性が…

佐祐理「あ〜、香里さんズルイですよ〜、佐祐理も腕組みます〜」

そういって、佐祐理さんは逆の腕に絡んできた。

う〜ん、グレイト。

まさに両手に花である。

こういうパターンだと、普通、もう一人もノってくるのだが…

あれ?

天野の姿が見えない。

祐一「お〜い。天野〜、行くぞ〜」

天野「はい」

祐一「うおっ!!」

いつのまにか俺の背後に立っていた。

祐一「ビックリさせるなよな〜。って、なんだ? その手に持ってるのは?」

天野「あの人のサイフから、クレジットカードを抜いてきました」

祐一「おう、気が利くな」

天野「旅の資金は、なるべく多い方がいいですからね。あと、ブタさんの貯金箱も発見 たので、小銭抜いておきました」

細かい。

さすがは、天野だ。

祐一「しかしその辺が、おばさんくさ…うっ」

天野は、剣を素早く鞘から抜き、俺の喉元に当てる。

天野「なんですって?」

祐一「何でもないです、若くてピッチピチの天野さん」

天野「…まあいいでしょう」

剣を仕舞う天野。

祐一「どっからそんな物もってきたんだ?」

天野「どこっていわれても、初期装備ですし私もよくわかりません」

そういえば香里もメリケンサック持ってな。

佐祐理さんは言わずともステッキだ。

祐一「俺、なにも持ってないぞ」

佐祐理「だから、今から買いに行くんじゃないですか〜」

祐一「そうなの?」

佐祐理「そうですよ〜」

祐一「まあ、なんか装備しないと話にならないしな」

しかし、装備品ってどこで買うんだろう?

佐祐理「商店街ですよ」

商店街らしい。

名前
祐一
香里
天野
佐祐理
レベル
職業
勇者
モンク
戦士
白魔道師
武器
なし
メリケンサック
ロングソード
ステッキ
布の服
拳法着
革の鎧
ローブ

…つづく。



[後書き(っぽい物)]


g「どうも、ジェミニです」

あゆ「早速だけどこのSS現実的でなんか嫌。家とかもそのままだし、お金の単位も『円』だし…。実際のRPGのファンタジー系の世界が好きな人には受けないよ」

g「まあ、そこら辺は考えてあるから大丈夫。今後の展開に期待して下さい」

あゆ「今後の展開ホントに考えてる?」

g「たぶん」

あゆ「たぶんって、アンタ…」

g「良く考えたらネット上で公開したSSこれが始めてだったり…」

あゆ「そういえばそうだね。DNMLは何個かあるけどね」

g「まあ、なにはともあれ。これからもがんばります」

あゆ「ホントにがんばってよ」

g「わかってますって。それでは〜」



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