祐一「真琴、お前なんで!?」

真琴「祐一が勇者だなんて何かヘマやらかすと思ったから、後を付けていたのよ」

祐一「ぐっ」

言い返してやりたいところだが、ヘマしたのが事実なだけに言い返せない。

天野「真琴、助かりました」

真琴「えへへ〜」



気まぐれは風と共に…

第六話:ガルムとの激闘






祐一「しかし、だ。厄介な網が無くなったのはいいんだが、モンスター達に囲まれている形勢不利な点は変わらないな」

香里「まあ、蹴散らす以外に方法はないでしょ」

祐一「出来るのか?」

天野「出来る出来ないじゃなくて、やらなければいけないんですよ、相沢さん」

祐一「それもそうだな。しかし、バラバラに行ったところで叩かれるのがオチだ。なるべく固まって行こう」

香里「わかったわ」

祐一「真琴は…魔法使えるっぽいし、それでなんとかなるか?」

真琴「私の魔法は火属性魔法だけだから同じ属性のアイツ等には通用しないわ。さっきはいきなりだったから、ビビらせることはできたんだけど…。でも、大丈夫」

そういうと真琴はスカート上げ、太もも付近に固定していた物体を手に取る。

真琴「真琴にはコレがあるから!」

祐一「コレってお前、それ銃じゃん!?」

真琴が手に取ったのはS&W『M19』。

通称コンバットマグナム。

その使い勝手の良さからアメリカの警察機構でよく使用されていたリボルバー拳銃である。

祐一「そんなのどっから持ってきたんだ!」

真琴「秋子さんから貰った」

やはり秋子さんか。

まったく、あの人は…。

真琴「コレに秋子さん特性の凍結弾を込めてあるから、アイツ等とも戦えるわ」

祐一「…いろいろツッコミたいが、まあいいや。それよりも佐祐理さん。魔法でサポートをよろし   

佐祐理「フリーズレイン!!」

「「「「へっ?」」」」

ヒュンヒュンヒュンッ

皆があっけに取られるのをお構いなしに、佐祐理さんの言葉とともにモンスター達に大量の氷柱が降り注ぐ。

ウグァアアア

グギャアアアア

火属性の敵は氷系の魔法に弱い。

あっという間に取り囲んでいたモンスターの数は半数以下になっていた。

祐一「さ、佐祐理さん、何を?」

佐祐理「何って魔法ですよ〜」

祐一「なんか会話に出てこないと思ったらまさか詠唱してたの?」

佐祐理「そうですよ〜。網から開放された時から」

卑怯くさっ!

モンスターも俺たちが会話してる間は様子見もかねてか襲ってこなかったのに、その間にちゃっかり詠唱しちゃって大魔法撃っちゃってるし。

ガルム「ひ、卑怯だぞ!!」

今回ばかりは向こうさんの言い分も良くわかる。

佐祐理「あはは〜。先に不意撃ちしてきたのはそっちですよ〜。今更何言ってんだこの(ピーー)野郎」

佐祐理さん怖っ。

ガルム「ぐっ。私を侮辱するとは…。皆のもの、やってしまえ!!」

グオォオオオオ

残っていたモンスターが襲い掛かってきた。

佐祐理さんの魔法でかなり減ったが、それでも30〜40匹は残っている。

香里「さて、いきますか。…相沢君」

祐一「なんだ?」

香里「あたし達が突破口開くからアナタはあのガルムとかいう魔術師をやっつけてきて」

祐一「なんで俺が? 俺、たぶん一番弱いぞ」

香里「なんでって、アナタ勇者だし」

佐祐理「勇者だったら仕方ないですね〜」

天野「いってらっしゃい相沢さん」

祐一「マジっすか…」

香里「まあ、諦めなさい」

祐一「はぁ…わかりましたよ」

香里「じゃあ、行くわよ!」

祐一「おう!」

一斉に駆け出す5人。

真琴「くっらえ〜」

パンッ、パンパンッ!!

「グ? グアァアアア!!」

最初に攻撃を仕掛けたのは銃をもっている真琴。

放たれた三発は見事に3匹に当たり、撃たれたモンスター達は悲鳴と共に消えて切った。

あの凍結弾とかいう弾、普通の敵に当たると凍らせる効果を持つが、火属性の敵の場合はモンスターを消滅させる事が出来るようだ。

天野「はぁあああ!!」

ダダッ、シュシュ、シュン

続いてスピード一番の天野が敵を切り裂く。

佐祐理「あはは〜。ブリザードーー!!」

先ほどのような詠唱長い広範囲魔法は唱えられないが、連発ができる初級魔法でモンスターを蹴散らしていく佐祐理さん。

香里「気孔波!!」

ズガァアアアア

気の塊がビーム状に放たれ、敵を蹴散らす。

香里「今よ、相沢君!!」

祐一「おう!!」

気孔波でモンスターが薄くなった場所を通り、ガルムのいる場所に向かう。

(…あと20メートル!!)

「ガルルゥアアアアア!!」

ズバァ!!

祐一「っ!?」

とっさの気配に不意をつかれながらも、なんとか攻撃をかわす。

立ちふさがったのは、熊のようなモンスター。

祐一「ちぃっ、ヤツまであと一歩だったってのに…」

「グルァ!!」

尖った爪で引き裂こうと、その腕を振り下ろしてくる熊。

祐一「だがっ」

タン、ザッ

それをバックステップでかわす。

そして横にあった大きな岩を利用して三角飛びの要領で高く飛ぶ。

「グア?」

攻撃の後に出来たスキにその動作を行われたために、祐一を見失う熊。

祐一は熊の頭上へ飛び上がっていた。

祐一「そんなワンパターンな攻撃ぐらいならかわせるさ!!」

ザシュ!!

熊の脳天に剣を突き刺す。

「グォオオオオオ!!」

熊は断末魔を上げ、倒れた。



祐一「さて、ついに…」

ガルム「小僧一人でノコノコと来おったか。いい度胸だ」

祐一「どうやらそれが役目らしくてね。行くぞ!!」

ダダダッ

魔術師タイプは接近戦に弱いのが定石。

まずは間合いを詰めよう。

ガルム「甘いわ! ファイアーフォール!!」

ブォオオオオ

祐一「くっ!!」

ガルムの周りに炎の壁が現れ、行く手を防ぐ。

ガルム「これで近寄れまい。くらえ、ファイアーストーム!!」

ブァアアアアア

祐一「ぐぅ!」

非常に高温の熱風が祐一を取り囲む。

だが、それは数秒後にはかき消された。

カルム「なにぃっ!?」

祐一「あれ? あっ、そうか!」

祐一は思い出したように腰に身につけていた短剣を手に取る。

祐一「こいつのおかげか」

ガルム「それは氷宝剣!! そんな厄介なものを持っていたとは…」

祐一「確か吹雪を起こせると言ってたな。やってみるか」

祐一は氷宝剣をかざし、吹雪を起こせと念じる。

すると剣の柄の部分に埋め込まれた宝玉が光り、吹雪を巻き起こす。

カルム「むぅううう」

ガルムを倒すまではいかないが、かなりこの吹雪は厄介な様子だ。

ガルム「グォォオオ。マジックバリアーー!!」

フィィィイイイン。

不思議な音と共にシャボン玉のようなものがガルムを包み、吹雪を防ぐ。

ガルム「フフフ、このガルム様をなめてもらっては困る」

祐一「もう吹雪は効かない、か」

ガルム「その通りだ。そちらにも半端な炎の魔法は効きそうにない。だがその氷宝剣の力を上回る魔法ならどうかな?」

祐一「そんな大魔法、俺が詠唱させる時間を与えるとでも?」

ガルム「フフフ、なぜ私が四天王に次ぐ地位にいるかわかるか? それは魔法を普通の魔術師とは比べ物にならないぐらい早く唱えることができるからだ。よって大魔法も一瞬で   

パン、パンパンパン!!

ガルム「グフォア!!」

祐一「へ?」

突然ガルムは何者かの攻撃を受けた。

あの銃声は…。

祐一「真琴か!?」

真琴「へへ〜」

香里「いくら詠唱早くてもお喋りが長かったら意味ないわよ」

ガルム「き、貴様らっ! 我が手下達はどうした!?」

天野「もう片付きました」

天野がチラっと見た方向にはやられたモンスター達の山があった。

真琴「秋子さん特性の凍結弾。いくらアンタでも4発くらえば耐えられしないでしょ」

ガルム「グォオオオオアアアアアアア」

のた打ち回るガルム。

さすがにザコ敵とはレベルが違うらしく一瞬で消え去る事はないが、時間の問題だろう。

ガルム「きーさーまらー!! 二度も卑怯な手をー!! よーくーもーー!! グアァアアアアアアアアァァァァーー」

真琴「うっさいわね」

パンッ!!

真琴がトドメの一発を打ち込む。

ジュワァアア

すでにガルムに抵抗できる余力は無く、他の弾を打ち込まれたモンスターのように消滅していった。

祐一「…ふう。終わったか」

佐祐理「ですね〜」

祐一「しかし、アイツは俺に任せるとか言ってなかったか?」

香里「そう思ってたんだけど、こっち終わって暇だったし」

祐一「うーむ、まあそれなら仕方ないな。とりあえず先に進   

ズゥウウン、ズゥウウン

大きな地響き。

ズゥウウン、ズゥウウン

その音はだんだんこちらに近づいてくる。

祐一「な、なんだ!?」

天野「どうやら、先に進む必要は無くなったようですね」

祐一「ってことは…ヤツか」





名前
祐一
香里
天野
佐祐理
レベル
職業
勇者
モンク
戦士
白魔道師
武器
鋼の剣
カイザーナックル
ミスリルソード
魔道師の杖
鋼の鎧
チャイナドレス
ミスリルメイル
白のローブ
装飾品
氷宝剣
絆という名のペンダント
中切り
美坂流格闘術
水瀬流気功術
天野流剣術
まじかるサンダー
ブリザード
フリーズレイン

つづく。



[後書き(っぽい物)]


g「さて久々の『気まぐれ〜』の更新です」

あゆ「また今回も間あいたね」

g「オリジナル書いてたからのぉ」

あゆ「ああ、アレね。読んでないや」

g「読んでないんかい!!(*`Д´)=○)Д゚)」

あゆ「いてて。何するんだよぅ」

g「このページの二次創作物の後書き担当として恥ずかしくはないのか!!」

あゆ「ないね、まったく」

g「むう、まあいいか。さてお話の方は、ガルム戦も終わり、次はとうとうデリウムですな」

あゆ「しかし、勝ち方がヒドイね。敵の数減らすのも、ガルム仕留めるのも不意打ちだったし」

g「なかなか渋いだろ」

あゆ「いや、渋くはないよ」



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