神尾家食事情



ここは神尾家。

観鈴ちんはテレビを見ています。



観鈴「にはは。なまけものさんカワイイ」

どうやら動物がいっぱい出てくる番組らしい。



ブィーーーン。

かすかに聞こえるバイクの音。

観鈴「あ、お母さんだ」

そう、ここら辺でバイクに乗っているのは新聞配達の人か、観鈴の母、神尾晴子ぐらいだ。

ブォオオオオオ

ドンガラガッシャーンッ!!!!




観鈴「またやった。しかも今時ドンガラガッシャーンなんて効果音使う人いないよ」



晴子「あちゃー。また観鈴に怒られるわ」

晴子「う〜ん、どうしよう」

晴子「…………」

晴子「あかん、何も浮かばん。まあいいわ、放っとこう。あの子のことやし気付かんやろ」



観鈴「いや、気付くって…。それに声、大きいから聞こえてるし」







ガラガラ、ガッ



晴子「ん?なんやこのドア」



ガッ、ガッ



晴子「え〜い、うっとーしーわっ!!」



ズバコーーーーンッ!!



ドタドタドタドタドタドタ



晴子「いま帰ったで〜」

観鈴「あ、お母さんおかえりなさい。後、ドアと納屋、直しといてね」

晴子「う…バレてたか」

観鈴「(バレないでか…)」

晴子「まあまあ。そんな事よりお腹空いた〜。ご飯まだ?」

観鈴「今、往人さんが作ってるよ」

晴子「あ、そういや今日あいつが当番やったな〜」

観鈴「うん」

最近になって神尾家では夕飯作りを当番制にした。

観鈴の負担を減らすという目的のためだ。



晴子「でも前ハト出されたときにはどうしようか思ったけどな」

観鈴「にはは。往人さん、ワイルドだから」

晴子「ワイルドっちゅうか野蛮っちゅうか…」

往人「出来たぞ〜」

晴子「お、なんやなんや」

観鈴「わー。見た目、おいしそうだね」

往人「……」

晴子「観鈴も最近言う事キツくなってきたなー。
   …居候。ショック受けてんで早く何作ったか言い。ちゃんと食えるもんと確認してからじゃないと、アンタの作ったもん食えへんわ」

往人「…失礼な。まあいい。聞いて驚け、まずご飯は…」



ダダダダダダダダ



観鈴「ゴク…」

晴子「(…どうでもいいが、このドラムの音どこから流れてるんやろ?)」



往人「ま〜つ〜た〜け〜ご〜飯〜」(ドラ○もん風)

観鈴「わあ、凄い。似てないモノマネはともかく、マツタケは凄いね」

往人「……」

晴子「…ん?ちょいと待った。観鈴、うちにマツタケあったか?」

観鈴「あるわけないよ」

晴子「居候。このマツタケどうした?」

往人「……」

晴子「こらっ!似てないモノマネを指摘されただけでショック受けてんで、はよどうしたか言わんかいっ」

往人「似てない似てないとうるさいな…。これは山で採ってきたんだが」

晴子「山って…。この辺でマツタケ採れるとか聞いたことあるか?」

観鈴「全く、全然、これっぽっちも聞いたことないけど…」

晴子「(何のキノコかわかったもんじゃないな)…まあいいわ。おかずは?」

往人「ふっふっふ。よくぞ聞いてくれたこいつは絶対美味しいぞ。
   なんとから揚げだっ!!」

観鈴「わあ、カラっと揚がってておいしそうだね」

晴子「…なんか、いやな予感がするが、何の?」

往人「

晴子「食えるか〜っ!!」

往人「何を言う。中国ではごく普通に食べられているんだぞ。それに食感も鳥に似ていて…」

晴子「なら鳥肉使えっ!冷蔵庫にあったやろーがっ!」



往人「まあ落ち着け、このお吸い物は絶品たぞ。一口飲んでみろ」

晴子「アンタのせいでイラついとるんやろが、まったく…」



ズズ



晴子「おっ、これは美味いな〜。これなんの魚や?いいダシ出てるわ」

往人「鯉だ。まあいわゆる鯉こくというやつで…」

晴子「ちょい待ち。この鯉どうしたんや?」

往人「ん?どうしたもなにも、3件隣の少し大きめのお家の庭でスイスイ泳いでたのを、一匹拝借してきたんだが」

晴子「3件隣…と、いうことは……。居候、今週の稼ぎどんなもんやった?」

往人「なんだ、突然?え〜と、320円にホネっこ7本かな。いや〜、最近、固定客がついて売上も伸びて絶好調だ。わははは」

晴子「ほう、そら良かった。だがしかーし!!それでは全くもって足りんで」

往人「何が?」

晴子「何がってあそこの鯉は品評会で好成績の鯉ばかりで、一匹最低10万円以上するんや、アホ!!」

晴子「観鈴ち〜ん」

晴子の甘い声。

観鈴「はいっ!」

怖いので反射的に敬語になる観鈴

晴子「居候の教育係の職務怠慢で小遣い半分」

観鈴「え〜」

晴子「それと、そこのアホ連れて謝ってき。そしてお金は居候の体で払ってもらいー」

観鈴「ラジャー!!ほら行くよ、往人さん」

往人「待て。せめて自信作の鯉こくを一口飲んでから…」

観鈴「問答無用っ!

ズビシ

お小遣いを減らされた観鈴の恨みのこもった手刀が往人の首筋に決まる。

往人「ウッ…」

バタン

観鈴「それじゃあお母さん。私、行ってくる」

晴子「おお」

ズルズルズル



往人の首根っこをつかみ片手で引きずっていく我が子をみながら「強うなったな、観鈴」と、ホロリと涙を流す晴子であった。





[後書き(っぽい物)]


g「はいど〜も。久々の更新です。AIRは初ですね」

あゆ「それはいいんだけど、観鈴ちんがやけに毒入ってない?」

g「まあ、作者なりの設定で作ってるし、しょうがないね」

あゆ「設定書いておいた方がいいんじゃない?」

g「え〜?だってね〜」

あゆ「なにか理由があるの?」

g「めんどい」

あゆ「……ダメだこりゃ」



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